ガソリン代の高騰による家計へのインパクトは大きいのか?
Oil Prices Approach Intraday Record Highとか言うように, 昨年からガソリン代が異様に値上がりしており, 2006年4月現在は1ガロン (およそ3.785リットル) が $3.00程度である. でこれは本当に高いのか?, 家計の全体に占める割合で評価すると実は大したことないのではないのか? という気がしている. 非常に個人的な意見に終始してしまうのではあるが...
最近うちのはてなグラフに幾つかグラフを追加して, 給油をしたときの1ガロンあたりの価格 と給油量、加えて最後に給油したときからの走行距離を記録するようにした. まだ2回しかサンプルがないのであるが、しばらくするとわりとよいデータが集まってくるのではないかと予想している.
グラフはこんな具合:
実験結果
具体的な数字は次の通り:
日付 | 価格 ($/ガロン) | 給油量 (ガロン) | 走行距離 (マイル) | 効率 (マイル/ガロン) | 効率 (km/リットル) | 効率 (マイル/$) |
---|---|---|---|---|---|---|
3/20/2006 | 2.69 | 14.01 | 330.00 | 23.55 | 10.01 | 8.756 |
4/5/2006 | 2.98 | 13.50 | 321.85 | 23.84 | 10.14 | 8.000 |
4/17/2006 | 2.98 | 13.20 | 315 *1 | 23.86 | 10.14 | 8.008 |
効率の評価
まずは, 一般によく用いられる単位体積あたりの走行距離での効率を評価. 計算式は
(走行距離) ÷ (給油量) = (単位体積あたりの走行距離) [マイル/ガロン]
である. 1ガロンで何マイル走ったかが分かる. これをkm/リットルに変換すると,
(走行距離 [マイル] x 1.609 [km/マイル]) ÷ (給油量 [ガロン] x 3.785 [ガロン/リットル]) = (単位体積あたりの走行距離) [km/リットル]
となる. 要は1ガロンあたりの走行距離に, 1.609 ÷ 3.785 = 0.425 を掛ければよい. この数字が上の表での第5,6列目に見つかる. 最後の7列目は, 1$あたりの走行距離である (1$札で何マイル走ることができるか).
当たり前のことかもしれないが, ガソリンの価格が比較的安かった3/20のデータが最も経済的によい数字である. にしても、うちの某M社の車は思ったよりも燃費がよかったな.
原油価格とガソリン代の関係
次のチャートなのだが, 昨年の9月から4月までに記録した1ヶ月間に支払ったガソリン代(青)と、アメリカの平均のガソリンの値段(赤)を並べたものである. ここ2,3ヶ月程、割と外へ出る機会が比較的多かったのが理由で、ガソリン代の出費(青)が上昇していたのかと思っていたが, 給油回数は増えていないこともあり、原因はガソリン価格(赤)の上昇のようだ. チャートからも両者の相関関係が伺える. って当然か?
(青: 1ヶ月に支払ったガソリン代, 赤: アメリカの平均のガソリンの値段)
参照
- Gasoline and Diesel Fuel Update: http://tonto.eia.doe.gov/oog/info/gdu/gasdiesel.asp
- U.S. Retail Gasoline Prices, Regular Grade: http://www.eia.doe.gov/oil_gas/petroleum/data_publications/wrgp/mogas_home_page.html
家計にしめるガソリン代の比重
これまではガソリン単体に注目してきたが、家計との相対値を評価してみる. 以下のチャートはガソリン価格 (青)と1ヶ月の総支出に占める割合(赤)を時系列でまとめたものである. 総支出とはいうものの, 家賃および保険代など(自分が)1四半期毎に支払うものおよび税金類は含まず, 食費、書籍、娯楽、衣料などの生活費である.
(青: ガソリン価格, 赤: 1ヶ月の総支出に占める割合)
一応圧迫とまではいかないものの, ガソリン価格の上昇は出費がかさむ原因になりうる. 今月(4月)はわりと高く付きそうだ. 今年から四半期毎の自分のBalance sheetおよびCash flowを作成しているのだが, それによると2006年第一四半期のガソリン代が支出(税金、家賃などをすべて含む)に占める割合は, わずか3.5%でしかない. 一方で外食の機会が増えた為かエンゲル係数は12%. 娯楽費が同じく10%を超えている. 総合的に評価すると, 家計の為には自分のspending habitを再検討する余地があり、ガソリン価格に変動に一喜一憂するのは労力の無駄であるようだ.
しかしながら, ガソリン価格の変動と個人の支出についてはわりと強い相関関係が伺えるので, 車での移動が多い(この一体は皆そうか?)ライフスタイルであれば、価格の上下へのsensitivityは高くなるだろう.
結論
- ライフスタイル、各々の車の使用頻度に大きく左右されるが、個人的にガソリン価格の変動による家計全体へのインパクトは小さい. 恐らくこれは徒歩での移動が多く, 買い物や遊びに行く以外に車を使う必要がないことが理由であろう.
- サンプルデータの量が増えてくるとよい解析ができ, 結論に説得力が出るはず..
- 総合的なSpending Habitを見直す必要がある. どの領域が最もsensitivityが高いかは自分でよくわかっているつもり.
*1:予測値