国会議員の待遇と特権

近頃話題をふりまいている日本の政治ですが, ふとしたことで国会議員の特権と特典について触れられている本を読んだな... と思い出したので読み直してみました.

ショッキングな数字です.

国会議員の待遇・特権一覧

↓参考文献より引用しました.

手当 金額(円) 支給日 備考
歳費(給料) 1,375,000 毎月10日 政務次官の俸給に相当
文書通信, 交通滞在費 1,000,000 毎月 10日と末日に50万づつ支給
永年在職表彰議員特別交通費 300,000 毎月 在職25年以上の議員が対象.加えて肖像画作成費100万円が支給
議会雑費 6,000(日額)×開会日数 末日 国会会期中に限り支給
期末手当 7,376,874 年3回 6/30:¥2,890,937, 12/10:¥3,489,062, 3/15:¥996,875
立法事務費 650,000 毎月 議員立法に関する調査研究費

以上に加えて, 下記のような特典があります.
(1) 東京間の往復航空券を1ヶ月に4回まで支給
(2) JRパス: ほぼ無制限に使える特殊乗車券.グリーン車も乗り放題.
(3) 第三秘書(政策担当秘書): 93年度より3人まで雇えるように改正
(4) 議員宿舎: 2LDK-3LDKの都内の一等地(赤坂,九段,青山,麺町,清水谷など)にある宿舎.家賃は10,000〜60,000という破格の値段.
(5) 免責特権: 国会会期中にどのような発言をしようと国会外でその責任を問われない(憲法51条で保障)
(6) 不逮捕特権: 国会会期中に逮捕されない. また会期前に逮捕されていた場合でも他議員の要求があれば会期中は釈放されなければならない.給与も支給される.

97年度以前は, (1)の航空券と(2)のJRパスは選択式だったらしいのですが, 今では同時に支給されるようになったようです. 九七年三月二十六日, ある法案, 「国会議員の歳費、旅費、手当て等に関する法律」の一部改正法案(=ただ乗り拡大法案)が全会一致で成立した とあります.

議員のセンセイたちは公務員定数の削減や予算配分の見直しを口では叫びながら, 自分達の権益は拡大中.

文献は2000年に出版, データはそれ以前のものになりますが, 慣性の異様に大きな政治システムはさほど大きく変わることはないと思うので, 現代においてもあてはまるでしょう. むしろ知らないところで改善(国民にとっては改悪というべきか)されているかもしれません.

情報の不透明性を利用して, 国民の知らぬ間に権力をどんどん惜しみなく乱用しているといわれても仕方がないでしょう.

"痛みにたえる"というフレーズが以前はやっていましたが, ↑のような数字を見てしまうと, 真っ先に痛みに耐えなければならないのは議員さんが率先して実行するべきでは...?と戸惑ってしまいます. 給与はまぁよいとして, 何かと理由をつけて無駄な手当が多過ぎます.肖像画作成費用っていったい...文書通信, 交通滞在費を毎月100万が支給されてさらに, 鉄道・航空チケットの手当てが必要なのかどうかは疑わしい.

一般に、会社勤めをされている方々は月収30万、40万とかで, 満員電車に揺られながら働いておられるわけです.

まさにこの金食い虫集団への過保護を改革せにゃ. これらの資金は全て国民の税金からまかなわれています.

企業が赤字を抱えて, 経営が後退してくると大方行うのは, 人件費をカットすることでしょう.

財務省の資料によると, 平成18年度(2006年度)の概算要求は85兆円に及ぶ一方で, 財政赤字は1000兆円を超えています. 大雑把な話, 年収850万の人が10億円以上の借金を抱えているようなもんですかね...

いまさら国会議員の定数を半分にしたところで, この赤字が無くなることはありえませんが, 年間で600億円くらいの直接支出を節約, それに付随する無駄な支出を抑えることができるようです. その余った部分, 例えば600檍(年間), を福祉, 年金などに割り当ててみてはいかがなもんだろうか.

国家予算などって, 桁があまりにも大き過ぎるのでなかなかピンとこないんですね. ガソリンの値段や, 普段買っているとうふパックの値段が98円から108円なんかに値上がりすると敏感に反応するんですが.. キャベツの値段とか. けど本当はもっと目に見えにくいところで, とんでもない額のお金が無駄づかいされています.



参考文献

落合信彦, 「恥と無駄の超大国・日本」, 小学館文庫, 2000年
まず、政府・議員から痛みを!
辛坊 治郎 (しんぼう じろう), 国会議員の給料
リアルタイム財政赤字カウンタ