意志決定モデル - マニアックな例え

seihiguchi2005-10-31


先日, とあるパネルディスカッションを覗いたときのこと.

「人生にはいろいろリスクがある, ベンチャーを立ち上げ、成功させるにも多大なリスクがある. そのような数々のリスクに対してどう上手く対処するべきか?」

と質問が出る.

そこでまた, 万人向けでない例え話をまた思い付く.

例えば、今ゴルフ場にいて、ティーショットを↓のようなホールで打とうとしていると考えましょう. ここを420ヤードのPar-4だとして, 4打で上がるのが目標.

右に見える池が目に入り, 自分はよくドライバーでスライスを打ってしまうから, 池に入ってしまったらどうしようとか, チョロして池に入れたらどうしようなどと失敗することを考えてしまうかもしれません.

そうやって, 失敗・Negativeなことを考えていると, やっぱり実際そうなってしまうでしょう. これはバンカー越えのアプローチなんかでも然り. バンカーに入ったらどうしよう..., と思っていると不思議なことに本当に入れてしまいます.ブラックホールに吸われる、”スクリュー”に吸われるかのごとく不思議とバンカーに吸われます.

ティーショットを成功させて, 目標どおりParで上がるためには, ビシッと球がクラブのスィートスポットに当たり, 美しい弾道を描いて球が飛んでいく様を想像することから始まるでしょう.

いい結果を望むなら, プラス指向をして, 自分が成功している想像をした方がええというわけです..

もしくは, 3-woodなら絶対曲げないでまっすぐ打つ自信があると. そうであれば, 確率の高い(期待値, 平均飛距離が長い)3-woodでスタートするのが好結果を生むことでしょう.


しかしながら, リスク, トラブルはつきもの. ゴルフをやっていると, 成功することよりも遥に多くの嫌なこと・予期せぬこと毎回見舞われます. これは人生・キャリアにおいても然り(だと思うんですが. キャリア経験は未だ無いので結論できません). 肝心なのは, そのおかれた状況で次の行動が最高の結果を導きだせるように, 判断・実行すること.

ティーショットはちゃんとまっすぐ飛んで, フェアウェーに行ったとする. まず何をするかというと, 現在の状況を確認・把握する. 1)ボールがどこに止まっているか(芝生の上か, ラフか, 平か傾いているかなど), 2)風, 3)目標までの距離, そして 4)自分の実力, これは過小評価も過大評価もしてはなりません. それらを厳密に吟味して次の行動をどうするか決める(そんで実行).

他のケースであれば, ティーショットは右に曲らず, 左に大きくまがってしまって林の中に入ってしまった. 幸いボールは見つけたものの, 木々に阻まれてグリーンを狙うのは相当難しい. 前方にわずかな50cmほどのすき間はあるが...

いちかばちかでグリーンを狙うのは, 多くの場合, 無謀.できもしないことを無理に強行することは, 勇気や挑戦ではなくて, 無謀・無計画. そのような状況下では, 確実にフェアウェーに帰還して, 3打目がやさしく打てる場所に打つ. それはグリーンとは反対方向になるかもしれません. が, 無理にグリーンを狙って, それがまた木に当たり, 林のもっと奥に飛んでしまって泥沼にはまるよりも100倍まし・スマートです. もしかしたら, 3打目のアプローチがピンそばに寄ることもあります. そうするとParが取れてしまう. 少なくともDouble Bogeyになる可能性はぐっと低くなる.


結論としては, リスク・トラブルはいつ・どこで・どのようにふりかかってくるかは, 完全に予測することは無理だが必ず起こる. また, よいことよりも嫌なことの方が多いのが現実. それらばかりを心配していたはよい結果は得られないので, 失敗を怖がらず常に成功している様をイメージするべきである. いいことばかり考える. 行動した結果が失敗したり, トラブルに陥った場合は, 冷静に的確に状況を分析し, また自分の能力を余すこと無く正確にわきまえた上で, 次にとる手を判断する, ということがリスクと付き合う1つの方法なのではないのかな...というのが現在の心構え.

むしろトラブルは歓迎. それが成長する機会を与えてくれる. 電通鬼十則の第十則にはこうある:


「摩擦を恐れるな」, 摩擦は進歩の母, 積極の肥料だ, でないと君は卑屈未練になる。

ここまで読んでくれた方は何人いらっしゃるだろうか?


余談

だからゴルフをプレーするのは面白いんですねぇ. それが, 遊びながら不測の事態に巧く対処する方法(技術力・戦略・精神のコントロール)を学べるから.

加えて人と仲良くなるためのツール(ネットワーキング)としても有向. 下手であるよりは、どうせなら上手いほうがいい. だから練習・訓練をして道具を磨かないといけない.といっても本業は学業なのでイメージトレーニングと家のなかでできる練習が専ら.

正確な自己評価能力(過小評価も過大評価をしない)も重要.自分にできることを最大限の努力で行っていれば,そのうちハンディキャップは下がるし、大きな目標を達成・能力も高まっていく.これはどう考えても人生にも然りだと思うのだが.