大学院卒業後の進路をいろいろ考える -「ウェブ時代をゆく」を読んだ (1/2)

ウェブ時代をゆく」を読みました。ちょうどこれからの進路を考えないといけない時期に差し掛かっているので、非常によいタイミングでした。書評というよりも読んだ事をきっかけに思ったことをざっくばらんに述べているのであしからず。。。


あと1年程度で学位論文を書き上げて卒業に漕ぎ着けたいところですな。よってそろそろ就職活動を本気で始めねばなりません。私は人よりも時間がかかる方なので、ちょっと早いくらいがちょうどいい。


大学院を終えた次の典型的な進路としては、さしづめ次のようなものでしょう (法律上の制限は除く)。

  • NASA (アメリカ航空宇宙局) に代表される政府の研究機関
  • Lockheed Martin, Boeing, Northrop Grumman などの航空宇宙・軍事企業
  • 研究機関や大学で研究員 (ポスドクというやつか)

要は「航空宇宙工学」という専攻が直接絡む分野が主な受け入れ先です。


会う人々に全く同じ質問をされて、同じ意味の答えを返しているのでありますが、これらの典型的な進路に進みたいとは思いません。少々言い換えるとこれらは「安易な」進路だ。確かにキャリアの内容が、学校で専門的に勉強したことと大きくマッチングがとれるのは理想であり、それはごく自然な思考だ。興味がないのは、仕事の内容がつまらないから、というのが理由ではありません。が、学習したことを活かして、何かそろそろ全く新しいことをしたいと思った。


重ね重ねしつこく申すと、「博士」というと研究者、教授になるものだと、暗黙の了解のように「枠の中」で考え過ぎている。博士をとって実業界 (非アカデミックの世界) に出る人々は多い。とくにこの国では。


自分には(特に)学術および政府関連での研究者というのはかなり性にあわないな、ご免被りたいものだと思う。企業の営利が絡む世界での研究組織ではアカデミアとは多少は異なる性格を持ち合わせているだろうから、興味はなくもない。航空宇宙の分野は先端ではあるが、ある意味で古典的な技術を駆使して先端を追求するという側面もある。それゆえ、本質的に同じ事を繰り返す単純作業になりかねない。スタンフォード大学とはいえど、全員が全員最新のIT技術に興味関心があり、起業願望が旺盛であるわけではない。僕はどうも、「24/7で暗い湿った研究室でぼそぼそ研究ができればいい」というスタイルがかなり性にあわないと思ったし、ぶっちゃけた話、自閉症傾向が強い、つまり一つのことに没頭することのできる強力な研究者らと一緒に働くのは無理ダナ、と達観した。余暇がなくてもいい、食生活や生活習慣のバランス、身だしなみなんて気にしなくていい人々と一緒にやっていくのは耐えられんということを学習した。過去数ヶ月は実際に政府機関と仕事をしている都合上、「やっぱRocket Scienceもいいかもな」とは感じることもあるが、完全に没頭できるものでもないし、時間が周りの世界とは比べてかなりゆっくり進む。これらはあくまでも法律的なステータスがクリアになった上での想像上の話だが。


まぁ、要は今更敢えて再度明言する必要はないのだが、研究者(特にアカデミックの)はいやである。元々、勉強はしたかったのだが、研究者になるために、渡米したわけでもないのだ。渡米した理由は他でもなく「日本(の教育)が嫌いだったから」である。日本の大学にはいろいろ疑問、不満があった。かといってアメリカの大学の全てが肯定できるわけではないし、たった一つのサンプルしか知らないわけなのだが、両者を比べると違いは月とスッポンの差はある。こっちに来たいと思ったからきた、それだけである。

(続く)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

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