身の程をわきまえた判断能力 (己を知ること、欲を抑えること、状況を正しく判断すること)

seihiguchi2005-08-18


ゴルフをする上でいつも心がけていることがあります.それは自分の力量を正確に判定して, 尚且つ最善の結果が高い確率で得られる方法を判断することです.

あるスプーンショット

「自分を知る」ということが如何に重要かということをラウンドをするたびにつくづく実感させられれます.たとえば, こういうことが先週のプレーでありました.

Coyote Creek Golf Course, Tournament courseの第3ホール, レギュラーティか536ヤードのPar5. 第1打目は3-Woodでうった球は200〜210ヤード程を飛んでフェアウェイのほぼ中央へ. ハンデ20後半のプレーヤーにとっては完璧な結果. そこから約140ヤード前方にCreekがありました.Creekを越えた先は180ヤードほどあるので, 下手をして1打損するよりは手前に刻んでハンデなりのボギーであがろうと決断, 8番アイアンで手前に刻みました.530÷4=132.5ヤードだし.

そこでシングルの同伴者から一言, "試しに7-woodでもう一度打ってみたら?". 7-woodは真芯を食えば180ヤードキャリー・200ヤード弱まで転がることがありますが,それが起こるのはせいぜい10〜20%. まずキャリーで160〜170がいいところなので, 高い確率で谷へ落ちるだろうと思い7-woodは選択肢から消去したのですが, 試しに打ってみたところ, 成功してCreekを越えました.

その後彼からもう一言, "おい, 3-woodでうってみろ!"と. それで打ってみたら軽くCreekは越えて230〜240ヤード飛んだ........ んなアホな. あとはPWで楽にグリーンに乗せられました. "あんたはあんな消極的なことをして, 1打2打損しているよ"と喝.


その後も8回くらい3-woodをフェアウェイから打つことがラウンド中にありましたが, 当り損ねてトップし,100ヤードしか転がらないということは2回ほどしかなく, その他6回は大体200ヤード以上をしっかり飛んでよい結果が生まれていました.75%の確率ということは, 少なくともCreek越えのスプーンショットはまぐれではなかった, ということです.230はまぐれかもしれませんが, Creek越え自体は偶然の結果ではないと言えます. (ちなみに, NCGAの公式ハンデはまだ送られてきていませんが, 20後半になりそう, という程度のレベル.)

ついでにこのときのスコアは51x2=102.Coyote Creekはコースレート=73.1,スロープ=136でUSGAハンディキャップインデックスを計算すると24. +3が3回.+4が2回.3パット4回,4パット1回.


この事例から結論できることは以下です.

私は自分の能力を極端に過小評価していた
それは上達およびスコアメイクを阻んでいる


別な事例

また別のラウンドでの事例.

400ヤード程度のPar4, 3-woodのティーショットはフェアウェー中央へ残ってピンまでが180ヤード, 手前に大きめのバンカーが左右に配置されているという状況.花道はかなり狭い.7-woodで打てばグリーンへ乗ることがたまたまあるが, 今日はバンカーショットの調子が悪いしグリーン手前に落として3打目の寄せに賭けよう, ピンまでは遠くなるがグリーンのどこかには乗るだろうと判断・実行.ちなみにこのときは風速=0[m/s].

5番アイアンで軽く小さく打った球は結構キャリーして, 見事にバンカーの中へ. 5番アイアンの距離の期待値(平均値)はせいぜい150〜160ヤード.
どんなに飛んでも170ヤードなのに飛び過ぎでバンカー. 確かにこのときはまっすぐ飛ばず, 目標より5ヤードほどは曲ったのは事実ですが.バンカーから打った球は思うようによらずグリーンエッジで止まる.

この様なことがこの日のラウンド中4回あり, 全部バンカーに入れて平均で2打は失っていました.まずは自分の学習能力を疑わないといけないですが, 以下が検証結果.

  1. 5番アイアンの飛距離(キャリー・ラン)を確認.平均値、バラツキをもう一度確認しなければならない.
  2. 本当に刻むのなら7番だったかもしれないが, 30ヤード,40ヤードの中途半端な距離を残すのを嫌って選択しなかった.しかしながら, 3打目でグリーンを外す確率はほぼ0だったであろう.3打目がピンそばに寄る確率の方が5番でグリーンに乗る確率よりも高いのは明らか.
  3. そもそも4回とも全て, 5番で打ったのはうまく寄ったらParがとれるかもと欲を出していたからかもしれない.だから7番を使わなかったし.ボギープレー(ハンデ18)すらできない力量でParを狙えるわけがない.

5番で大して飛ばないだろうというのは過小評価であり, 毎回Parを狙ったのは自分の力量を過大評価していたといえます.


結論

自分の力量を正確にわきまえてモノごとを判断するということは難しいです.ゴルフにおいてそれを阻んでいるのは, 根本的には, かもしれません.現在は, ボギーを狙ってきっちりボギーでおさめる, ように攻め方を決めています.がどこかで, (できもしないのに)いちかばちかでParがとれる, と思って(特に)第2打での選択に迷い・ミスが生じているのが事実.

この問題を解決するのは, ショートゲームとショットの精度を高める練習をひたすらすること, バンカーショットを練習すること, なのですがゴルフが自分の仕事ではないのでそれはなかなか無理.では的確な判断能力(コースマネージメント・メンタルマネージメント)を養えばわりと楽にスコアを縮められるのではないかというのが今やろうとしていることです.それが中部銀次郎氏の主張でもあります.

中部銀次郎: ゴルフはやさしい (このお方のゴルフ観には感服)

「自分の能力を正確に評価できて,それを踏まえて冷静に最適な解決方法を選択すること」, これは実社会においても非常に重要なことではないでしょうか?


余談

文章にしてみると長いですが(私の文章力のせいでもある), ゴルフはスポーツだし, 考え過ぎるのはよくないので, ボールの止まった地点に着いてから判断に費すのは長くてもせいぜい5〜10秒です.

あと, なんであんたはドライバーを使わんのだ?, という疑問がでてきますが,

飛距離の差が, スコアメイクの決定的差ではない

からです.多分少なくとも80を切ろうかというレベルに達するまでは.かといってドライバーの練習をしていないわけではありませんので.

3-woodを使っていて面白いのは, 冒頭の事例でもあったように, ティーアップしなくてもフェアウェーからそこそこ打てるようになってしまうという嬉しいおまけが付いてくるということです.ティーショットをトップして失敗したときなど距離をある程度挽回することが可能.

加えて, 90を切った後, 飛距離がもうちょい欲しいなと思い始めたころに, ドライバーを導入すれば比較的楽に飛距離が伸ばせます.少なくとも自分が使っている3-woodよりは飛ぶでしょうから.


追加

9/1/2005, NCGAのHandicap Indexがやっと出ました.23.5です.30〜36くらいかな... と思っていたら全く間違ってます.随分と過小評価していたわけですねぇ.