Stanford University 学校事情(5): 学内のネットワークサービスについて

シリコンバレー発端でもあるStanford大学.ハイテク産業のまっただ中に位置する学校ですが, そのインターネットサービスの実体はどうなのでしょうか?

テーマ: Stanford大学でのインターネットサービス +α

要するに一般家庭のインターネット環境です.

サービスはResidential Computingを通じて申込み、開通までは最速で数時間.遅くても24〜48時間.比較的迅速な対応と言えます.


気になる通信速度ですが, (厳密な意味での)Linuxの配布元であるwww.kernel.orgからソースをFTP転送すると実測で平均70Mbpsです.これはハード・ソフトなどいろいろな条件が重なりますので時間と場合によるわけですが, どんなによい条件が整っても80-90Mbpsが最高値でしょう.これは無論接続相手先にも依存します.Kernel.orgは経験上かなり帯域が広いホスト(ホスト達?)なので現実的な最高値を計測するにはよいです.


学校内にMirrorサイトが設置されていることもあり, 基本システムのネットワークインストールも楽です.しかしながら, 最近のPCにはFDDがインストールされていないことが多いのが難点.


また各部屋(アパート)のマシン, つまり個人のマシンには固定のグローバルIPアドレスが割り振られ, ホスト名を自由に選択することができます.例えばこのBlogを運営しているのは私の部屋にあるマシンでホスト名はtiger.stanford.edu, IPは128.12.175.60です.キャンパスの中の各ホストが外に見えているというのはセキュリティ的に疑問がありますが..... 固定IPなので遠隔地からの操作も楽です.


自分でホスティングすることも許可されています.つまりDNS,MAIL,WWW,FTP鯖などを自由に立てられるということ.特にwwwサーバはディスクスペースを気にせずにwebサイトを作ることができます(共有スペースはわずか50MB).意外に活用していない人が多いです.


料金は2004-2005年度は$13/monthでした.2005-2006年度は家賃に組み込みとなり, 固定電話・ケーブルTVと合わせて$48/quarter.


研究室

研究室のマシンも各ホストが固定のIPを割り振られています.研究室によってまちまちですが, 自分が研究で使うマシンは完全にrootとして権限を持ちます.一般の会社のように, システム管理者によるディスクの検査、通信の検閲などはありません.通信くらいはモニター・チェックしているとは思いますが.

セキュリティは大丈夫なのか...?

Wireless Network

キャンパス内の主要な地域で使用可能.認証が必要なのでpublicには開放されていません. 現在サポートされているのが802.11bなので通信速度はあまり速いとは言えません.実測でせいぜい2〜3Mbps.

通信可能なエリア: http://www.stanford.edu/services/wirelessnet/locations.html

共用マシン

PC, Mac, UNIXを設置.Unix ClusterはSweet Hallにあり, Sparcマシンがズラズラと並んでいます(総数で100台程度).Sun Bladeが大半.UNIX系マシンはsshで使うことが専らですね.直接部屋へ行くのも遠いですし.

LinuxFree BSDなどが広く普及し, Enterprise用途にも対応している現代では商用UNIXの需要はどれくらい残っているのか疑問.が, 同時に数10人以上のユーザがPC UNIXに同時にログインして計算を走らせるという状況になると, シングルやデュアルプロセッサ(x86系)のLinuxだといくら最新のCPUを積んでもかなり力不足.重たい処理を同時に複数長時間の稼働に耐える必要性がある場合はRISC系マシンが断然優勢.

サービスなど

Webmail: http://webmail.stanford.edu
Webmail(Alumni用): http://www.stanfordalumni.org/ (このアドレスは生涯有効)
個人のdisk quotaの上限は50MB.使い方によりますが実用に耐えません.