温度を制御するのは一苦労

seihiguchi2005-09-20


多大な時間遅れを含むシステムの温度制御がテーマなんですが, 今日は本当にまいります.なんと, 実験のまっただ中(24時間が経過していた)でめでたく停電が発生しました. どうやら季節外れの雨+雷が原因らしいです. これは予想しなかった. まだ9月. 今朝は綺麗な秋晴れ, 雲量0. 今朝は早く目が覚めたのでBack-9へでも出かけようかと思ったほどのいい天気なのに.

おかげで最初からやりなおしです.


自分が参加しているプロジェクトは, 10の-23乗のひずみを計測することでGravitational Waveを検出するシステムを研究しています. それがどれくらいしんどいことかというと, (確か)木星から地球の地上に居る人の髪の毛の直径を測る, くらい難しいことです.

そういう極限の精度が求められる計測において, あらゆる外乱というのは邪魔な存在. 例えば熱源に関しては, 太陽からの放射熱、spacecraft自身に搭載されている電子基板からの自己発熱などは計測システム(センサー)に大きな悪影響を及ぼします.

そのセンサーの温度変化を極小に抑えるのがテーマ. が, このシステムには多大な時間遅れ(Time Delay)が含まれてこれが非常に制御する上で厄介.

exactな数値は依然計測中であるが, 大体time delayは2時間くらい. システムの時定数は3時間くらい. Simulinkの簡単なモデルでシミュレーションしても静定するまでに丸2日かかるというとんでもなく、バンド幅が狭い.

それで今日停電が起こったときは, 24時間が経過したころにとつぜん, PC, 電源、計測機器がすべてクラッシュしたわけです. UPSがあっても助かってないし.

ゴルフは人生に似ていて, 予期しないことが多く起こるのはよく経験済みですが, 今日の停電+季節外れの大雨+雷 には参りました.

ちなみに短期の制御目標は 10000秒の時間スパンで温度変動が1mK以内に収まることであります. 最終的には1μKです.