WHAT KIND OF ASIAN ARE YOU?

seihiguchi2005-11-21


What Kind of Asian Are You? (http://www.asiazine.com/identity/idn04011.htm) という面白いページがある (数年前にFWしてもらったものを思い出した).

アメリカにいるアジア人はざっと以下のように分類できるらしい.

  • Twinkie
  • Asian-American
  • Fob (Fresh Off the Boat)
  • SuperFob
  • Fobabee
  • Tab (Trendy Asian Bitch)
  • Hoochie Tab
  • Rice-Boy
  • Fobulous

Twinkie

Twinkie (http://www.twinkies.com/)という, 外側が黄色いスポンジ生地で, 中に白いクリームが入っているスナック菓子が由来. 映画DIE HARD (に限ったことではないが)で, L.A.P.D.のおっちゃんがTwinkieをむさぼりながら, Bruce Willisと電話・無線で話しているシーンを記憶されている方がいるのではなかろうか.


この外が黄色・中が白という特徴が, 外見はアジア人(黄)だが, 中身はアメリカ人(白)ということに対応する. 要するにアメリカ人になりきってしまったアジア人ってことですかな.


Twinkieの"定義"によると, アジア系の友人があまりいないとか, Fordなんかのアメ車を運転するとかあるけど, 一番の特徴はこれ (だと言われた):

You are embarrassed at family events because you cannot speak your language and everyone has to switch to English to communicate with you

つまり, 母国語を忘れてしまい話せなくなってしまった状態 (英語でないと話しが通じない)に陥ると, もう立派なTwinkieってことです. 母国語が怪しくなったら危険信号.

Asian-American

これだな:

You claim yourself as Asian, but real Asians think you're whitewashed and non-Asians see you as a foreigner. You fit in nowhere.

自称れっきとしたアジア人! とは思っていても, 周りの人達は非アジア人とでしかみないという, 裸の王様状態. そして不幸なことに, どこにも居場所を見出せない...

SuperFob/Fob

これは(失礼だが), 中国が出身の方々を言っているようだ. 面白い特徴としては

You do not own a single CD, VCD, Video game, or DVD that isn't bootlegged.
(不正コピーのメディアしか持ってない.)

Your only hangout is Chinatown.
(中華街によく行く(そこしか行かない))

あとは,

  • You dry your clothes outside your window. (普通、乾燥機使うわな..)
  • You need a haircut. (たまに自分も3ヶ月くらい美容院に行かないことがあるが, ボサボサやな)
  • You either smell like cigarettes or food. (確かに匂うな..., けど日本人も非日本人からしたらなにかしら(彼らにとって)特殊な匂いがするであろう...)
  • You do not have any non-Asian friends. (キャンパス内のテニスコートやバスケットボールコートに目をやると, ここって何処の国だっけ?って思うな)
  • Your parents do not speak any English. (朝にキャンパス内のテニスコート太極拳らしきものをやっている老夫婦がよくいる. 一度, ゴルフ場のバックティーで踊っている紳士がいた.)

Tab (Trendy Asian Bitch)

なんかこれは, アメリカ人になりきってしまったアジア人女性(bitch). でもないか. 自分のイメージでは, ちゃきちゃきのアメリカ人に渋谷系ギャルを足して2で割ったような感じ.

  • レストランでは絶対割勘しない. 男に全額支払わせる.
  • ファッションは黒. 黒が命. たまに白も混ぜる.
  • 体重は105 lb. (48 kg)以下でスリムな体型.
  • 喫煙する.
  • ケータイは必ず自分用にカスタマイズ設定されている.
  • いい車に乗る男しか興味ない.

などなど.

Rice-Boy

これは特徴からして, なんか族みたいだな.

  • Your souped up car (known as a Rice-ride or Rice-rocket) is unrecognizable from it's original stock form.
  • Your exhaust pipe is big enough for your head to fit in.
  • The spoiler on your car looks like it was made by Boeing.
  • The interior of your car also looks like it was designed by Boeing.

本家の説明はとても面白いのでぜひ御覧になるといいです. ここでは紹介していないものもあります.


ここで紹介した言葉を使うときはくれぐれも御注意.

      • -

ここから, 話がかなり変わり、焦点がころころ変わる.

随分前に読んだ落合信彦氏の著書「狼達への伝言」に以下のような話があった.

オレは、大学時代、あるパーティで会ったアメリカの国務省の役人に、「平家物語」の冒頭部分を暗唱できるかどうか試されて、びっくりしたことがある。

その役人は、ハーバード出身で日本語がペラペラだったが、紹介されて初めて会った時、彼は「祇園精舎の鐘の声、諸行無情の響あり」といったきり、じっと人の顔を見て、その先を促した。

それでオレは、多少あわてながら、「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす。奢れる者は久しからず」と続けた。

彼はニッコリと笑って手を差し出してきた。

なぜ、こんなクイズまがいのことをするのか、とオレが訊くと、彼は真剣な表情で、「お前が本当の日本人かどうかしりたかったからだ」と答えた。

まさか「平家物語」まで暗記しろとはいわないが、少なくとも外国に行ったら、どんな人間に何を訊かれるかわからないということだけは、絶対に心にとめておかなければならないし、訊かれたらある程度は答えられないといけない。

出典: 落合信彦, "狼たちへの伝言3, 21世紀への出撃", pp.89-90, 集英社, 1995年

平家物語」を暗唱できるかどうか, ということだが, 「自分は日本人だ」と言えるためにはある程度(というかもっと), 専門やITもいいが, 日本の歴史や文学、時事を勉強しないといけないな-, と考えさせられてしまう. 日本人として.

加えてできれば国際政治の事情なども恥ずかしくない程度に理解して自分なりの考えを準備しておきたい...と思う今日此頃.

ここ(アメリカ)で日本語を専攻しているアメリカ人というのは, 日本人が舌を巻く程, 知識などがすごい. 源氏物語を記憶していたり, 薔薇などの単語がちゃんと漢字で書ける.


このエピソードは俗に言う英会話能力の上達に関連するものがある.

多分...., [英語ができる・喋れる] という事象が [TOEICTOEFLで高得点をマークできる] という事象と同値 (identical, ≡) とお考えの人々が多いかもしれない. つまり, テストでいい点が取れれば英語ができる、ということ.

確かに正しい文法、多くの語彙の習得は必須である. あと正しい発音とイントネーション (個人的にこれが最重要項目だと思うんだけど). ただし例外はあり, TOEFLなんかを何も事前の勉強をしなくて満点近く取れる人達は, 明らかに英語能力が高いです.

よく考えてみると, 日本人同士 (日本生まれ・日本育ち・日本語が母国語. つまりTwinkieでない人々) の間の会話をでも, 「会話が上手い人」と「会話が下手..というか喋らない人」に大きく分けられる (私は残念ながら後者...). 大雑把に比べて, その2つのグループの間である種の国語のテストを行ってもさほど点数に差はでない(だろう).

ではなぜ、上手・下手の格付けができてしまうのか?

1つの理由としては, 話題が提供できなかったり・偏っていたり, 元来対人力が低かったりすることではないだろうか?

上述の例だと, もし落合さんが「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす。奢れる者は久しからず」を知らなかったとしたら, そこで会話が途切れていたかもしれない. いくらおしゃべりが上手だったとしても.

本当に英語ができるようになりたい, と願うなら, まずは会話の素となる話題・知識・意見を常に仕入れて備えておくべきだ. そして不幸にも"後者"に属するならば, 対人力を育成しないといけない (自分で自分に説教しているが). その土台の上に英語の知識・技能というレイヤーを被せる. TOEICの点数に一喜一憂するよりは, 自分の専門分野を徹底的に究めることの方が実社会でsurviveしていく上で大事だと思う (今だに社会経験皆無な自分). そうした方が身一つで生きていけるし.

点数って学歴みたいなもので, それなりに重要だけど成功を保証するものでもない (もしGoogleで働きたい場合はPh.D.は必須だけど).

これまた, 落合氏の書からの引用だが (このように私の思考と嗜好は偏っている), こちらを御覧頂く方が分かりがよいであろう. 上の「英語そのものに執着するよりは, 人に負けない技能・スキル・特殊能力・光るものを磨くべき」ということがよく理解できる。

だが, 何と言っても最大の勘違いは、外国の大学を出て英語を話せるようになれば、国際舞台で活躍できると思っていること。

国際舞台で活躍するということは、ホノルルのハンバーガー屋で、時給六ドルの店員をやることではない。

国際舞台で活躍している日本人といえば、真っ先に野球のイチロー野茂英雄、ゴルフの青木功らの名前が挙がるが、彼らは英語を流暢に話せるわけではない。ウィーン国立歌劇場音楽監督に就任する小澤征爾も、日本訛りの抜けないややブロークンな英語だ。ドイツ語は、もっと下手だと聞く。

それでも彼らが大きな成功を収めているのは、人並み外れた能力と技術を持っているからである。

これまで何度も言ってきたように、英語は手段であって目的ではない。英語をいくら一生懸命やっても、なれるのは日常会話レベルの通訳か英語の先生くらいのものだ。

(中略) 日本で朝日新聞を読めなかった人間は、アメリカへ行っても、決してニューヨーク・タイムズを読めるようにはならないのだ。

出典: 落合信彦, "「大差」の時代", pp.190-194, 小学館, 2001年

有言実行せねば.