Rich Dad, Poor Dad を読んだ

読み終わったのは先週の休暇中(世間一般は)だったのだが、いろいろとあって書くのが遅くなった。Rich Dad、Poor Dad(邦題:金持ち父さん、貧乏父さん)。Amazon.comのレビューをみると、「よい」と「悪い」の評価にまっぷたつに分かれているが、自分にとっては、「読んでよかったな(わざわざBordersで買った甲斐があった)」と思えた本だった。

話を聞いてみると「なんだ、そんなの当たり前のことではないか」と言う人が多いかもしれない。が、一般に「当たり前・普通のこと」を「当たり前に・ちゃんと(適切に)」実行に移せるのは多くはないのではないだろうか。

Money is one form of power. But what is more powerful is financial education. Money comes and goes, but if you have the education about how money works, you gain power over it and can begin building wealth. The reason positive thinking alone does not work is because most people went to school and never learned how money works, so they spend their lives working for money.
(文中より)

正しい知識・「Finacial Literacy」が何よりも大事であるとこの本は説いている。そうでないと、収入がいくら増えても、億単位の収入があったとしても、それにともなって支出が膨れ上がるだけになり、正味の利益・富は増えないのである。

Rich Dad Poor Dad: What the Rich Teach Their Kids About Money-That the Poor and the Middle Class Do Not!

Rich Dad Poor Dad: What the Rich Teach Their Kids About Money-That the Poor and the Middle Class Do Not!

金持ち父さん貧乏父さん

金持ち父さん貧乏父さん

たしかに、ニュースなどを眺めているとわかるが、たーくさんお金を稼いでいる有名人やスポーツ選手が「自己破産」申請することは目にする。けっきょくそういう彼らは「使い方」をあまり深く考えなかったか、十分に理解していなかったのだろう。

The Rich Have Money Work for Them

なんのこっちゃ?と思ったが、要はただ収入を増やすよりも、Asset(ほっとくだけで自動的に富みを増殖するもの)へ投資しなさい、ということ。

It's like planting a tree. You water it for years and then one day it doesn't need you anymore. It's roots have gone down deep enough. Then, the tree provides shade for your enjoyment.
(本文より引用)

そのためには、「Liability」と「Asset」の違いを理解しなくてはならない。で、筆者によると、一般には、"Rich peopel acquire assets. The poor and middle class acquire liabilities, but they think they are assets." だと。本文60ページあたりにある(第3章)、図はキャッシュフローおよびキャッシュバランスがとてもわかりやすく描かれている。例えば、「Home]、「Mortgage]などはassetと思っていたら実はliabilityだったという典型的な例。(→これは誤解か? 2006.4)

More money seldom solves someone's money problems. Intelligence solves problems.

これはIncomeを増やすために、仕事を変えるとかいうのは根本的に解決をしない。金銭的に悩みがあったり、富が増えないのは「Spending Habit」に根ざしたことが多いという。

「Rat Race」から抜け出すのが初めの一歩。

As a result of their incomes going up, they decide to go out and buy the house of their incomes going up, they decide to go out and buy the house of their dreams. Once in their house, they have a new tax, called property tax. Then, they buy a new car, new futniture and new appliances to match their new house. All of a sudden, they wake up and their liabilities column is full of mortgage debt and credit-card debt.

They're now trapped in the rat race.

A child comes along. They work harder. The process repeats itself. more money and higher taxes, also called bracket creep. A credit card comes in the mail. They use it. It maxes out. A loan company calls and says their greatest "asset," their home, has appreciated in value.....

けっこう本の内容自体は繰り返しが多いので、最初の130ページくらいを読んだ後の残りはぱらぱらめくって、さらさらと流した。自分の感想としては、第2、3章くらいよめば筆者の言いたいこと・肝が受け取れる気がした。


リビューの中には、「筆者は労働の喜びというのもの否定している」、「金がすべてじゃないだろー」という内容のものが散見される。個人的観測としては、筆者自身もそれらを否定していないと思われる。あくまでもこの本がFocusするところは、お金を稼ぐにはどうすればよいか?学歴がすべてではないし、正しい知識と方法論を学ぶことが不可欠だ、ということである。あまりいろいろと網羅する範囲を拡大すると焦点がぼやけるでしょう。あと、あくまでも"From my point of view,"で話をすすめているので、万人に理解される内容ではないとも思う。


今の時代「高学歴」=「高収入」を信じる方々は少ないと思うのだが、やはり筆者も指摘している。統計データをとると、あるていどの相関性を読み取ることはできるかもしれないが。だから、自分の場合「Stanford卒」(卒業できたらの話!)だからといってhappyなことはなく、「技術・知識・思考力」などの「実力」を備えるようにしないと、数年後には住所不定・無職・銀座一丁目地下に頻繁にたむろ、ってことになってしまうかもしれない。

They know that professional success is no longer solely linked to academic succes, as it once was. Because students leave school without financial skills, millions of educated people pursue their profession successfully, but later find themselves struggling financially.

ふと思い出した「桃太郎電鉄

通称「桃鉄」。これは日本地図(や世界、宇宙もあり)を駆け巡り、資産を増やしてだれが最後に一番「金持ち」かを競うゲームである。すごろくゲーム的な要素が強い。プレーされたことあある方はよくわかると思うが、「目的地」につくと高額の賞金がもらえる。最初のうちはこの賞金をいかにしてかき集めて、「物件」を買いまくるかというのがキーになる。そして、年月が経ってくるとその賞金をとくにゲットしなくても勝手に「資産が増える」ようになる。なぜならば、買い上げた「物件」(=Asset)が自動的に利益を生み出して資産増殖してくれるから。

このゲームの欠点は、あまり冷酷・非道にプレーすると「人間関係が壊れること」。本当に。

最初のうちはいいが、ゲームが進行するにつれて目先の現金ばかりにとらわれて「青マス」ばかり止まったり、「目的地」に1番乗りすることだけに気をとられて突っ走っているだけでは、そのうち「貧乏神」なんかに一気に「ボンビラスの世界」へ誘われることになってしまう。

現実世界をシミュレートできるゲームとは言い難い(最近のものは知らない)が、こんな単純なゲームでも勝つ(資産を増やす)には、現金のために走り回るよりも、「自動的にお金を生み出すもの=asset」に投資したほうがよいと教えてくれる。加えて、「地理」にも詳しくなる? いまの桃鉄も、「沖縄」の収益は100%なのかな?沖縄を買い占められるかどうかがけっこうキーで、買い占めができると収益が200%になる。逆に他のプレーヤーの買い占めを防ぐために、「農林物件」を1件だけ買っていやらしく抵抗したりとか。このゲームは奥が深い。今だったらネット対戦とかできるのかな?


当方、個人的に金銭的問題を抱えているわけではございません。あしからず。