功名が辻、読破

昨年末から読んでいた「功名が辻」をようやく終了。4巻が一番面白かった気がする。4巻目を読み始めたのが夜中を過ぎた後だったのだが、おかげで夜更けまで(めずらしくぽっくり寝ることなく)読み続けてしまった。こんなことをするから時差ぼけによる悪生活習慣が治らない(一種の病気 = 朝の時間を無駄にして精神衛生上よくない)。

新装版 功名が辻 (4) (文春文庫)

新装版 功名が辻 (4) (文春文庫)

新装版 功名が辻 (3) (文春文庫)

新装版 功名が辻 (3) (文春文庫)


この小説はめずらしく(少なくとも、あまり本を読まない自分にとってはめずらしい)、戦国武将の妻(千代)を主人公になっている。しかも彼女は頭がキレる才女。巧みに時代の流れを読み、(自他ともに認める)律儀さだけが取り柄の馬鹿で無能な亭主、山内一豊を土佐二十四万石の大名にまでに仕立て上げる様子が書かれている。千代の中では、夫一豊は自分の「作品」であり、彼の成功は自分の手で作り上げたのだ、という自負がある。

一方で、一所懸命働き、そして地味に一豊が戦国時代を生抜いていくさまは、ほほえましいというか、なにかある種の共感を覚える。

一つ注文をつけると、物語の終わり方が哀しい。土佐(高知)の大名になった一豊が最後にその無能さを発揮して、千代をあざむいた上で冷酷非道な政治手段を断行したところで終わる。このあたりだけは読んでいてしんどい。実際はこの話のあとに「あとがき」があり、夫婦が他界して結末を迎える。


次は、お堅いものに挑戦. 読み終わるかな...?

Big Bang: The Origin of the Universe

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