学校事情(23): カルロス・ゴーン (Carlos Ghosn)氏、来校


最近、感じることの1つに、ここ(シリコンバレー)にいる方が、例えば東京に住んでいるよりも、素晴らしい人々、普段はほぼ絶対に会う/(遠くから)見ることのできない人々に出会う機会が多くなったなー、ということがある. 今日は、日産自動車 社長兼最高経営責任者カルロス・ゴーン氏が来校されて、貴重なお話を聞く事ができた.


第一印象としては、とても庶民的な渋い人ということ. まさに現場で叩き上げた、経験が豊富なリーダーである. 対象的に、先日来校したCisco Systems CEO&PresidentであるJohn Chambers氏はどちらかというと政治家に向いているような感じで、アカデミアぽい雰囲気がある.


沈没しそうだった日産を再生するための最大の課題であったことは、「社員の自信 (self-confidence) を取り戻させる」ことだったと. 1999年当時, 日産のライバルであるトヨタや本田は業績を伸ばし、逆に日産は同じくよい製品、サービス、エンジニアを備えていたにも関わらずものが売れなくて、トヨタ、本田に嫉妬心を抱いていた. 「ちゃんとやっているのに、なんでだめなんだー」って. そうすると、どうも人間は自信喪失に陥り、思考もnegativeになる. その辺りに意識改革を前向きな方向に舵取りすることに一番苦労されたらしい.

(おしまい)

追記 (2/15/06)

講演の映像 (Real Player) および解説
http://www.gsb.stanford.edu/news/headlines/vftt_ghosn.shtml