[スタンフォード大学 学校事情(24): 火星へのB.大統領専用渡航券(ただし片道分だけ)

seihiguchi2006-02-15


研究プロジェクトのボスの教授と学生らで短いミーティングが開かれた.


昨日このミーティングについて通知があったのだが、学生らの間では、「ついに、うちらも首切りされて、来学期から路上生活かぇ〜」と冗談が少々きついことをいいながらミーティングの内容について予想していた. 通知のメールでは、ただ明日この時間に来なさい、と書いてあっただけで、よけいに怖い.


で、確かに今後の進展状況、とくにfundingについてが話題だったのだが、さすがはリーダーであるボスからはとてもoptimisticな見解を説明を聞けて、さほど状況はnegativeな様子ではない. なんとかなるんじゃないか、って感じがする.


LISA (Laser Interferometer Space Antenna)プロジェクトは、Space Science Missionの一部で、「無人」の宇宙計画の一つである. とてーも^2 困った事に、この国の某B大統領の関心は「有人」の宇宙計画に傾いている. 「月や火星に人を送る計画」である. ちょっと財布の中身を数えれば、NASAの予算の範囲内で、有人宇宙計画を実行するのは夢物語(不可能)であることは明白なようである. それを、単なる見栄で押し進めようとするのだから始末が悪い. 地球圏を超えた範囲(火星とか)に、人を送る意味は皆無. すくなくとも現代のテクノロジーや、予算、理解においてはありえない.


おかげで、アメリカの大学や研究所で行われているSpace Science Mission系のプロジェクトはどんどん縮小や中止に追い込まれているそうな..... これが議会でも問題になっているようで(聞いた話なのだが), 教授が言うには超トップ層の連中に(今のやや異様な事態が)理解されるのには時間はかからないだろうと.


来週は、NASAのお偉いさんが訪問され、その方は結構プロジェクトに関心をお持ちらしい. 天文学(サイエンス系)が専門らしいので、どっちかというと「無人」派なのだ. これはいい.


ミーティングの締め台詞には、

「ブッシュを火星へ打ち上げてしまえ (そんなに火星が好きなら自分が行ってこい)」

「もち、片道切符でね」

と. おかしすぎ.



「最悪の事態を想定して、最善をつくす」というのは何事においても真理をついている.