Never In, Never Up: グリーンは積極的に狙った方がいい

自分のコース戦略というと、Par 3 は Par4, Par 4 は Par 5, Par 5 は Par 6とboggyを自分のParとして攻めている. それはそれでいいはずなのだが、Par 4とかでグリーンまでの残り距離が230 yds とか残っていたりすると、平気で100 yds手前にlay upしてwedgeのフルショットで乗せるというやや消極的なアルゴリズムにしていた. 首尾よくlay upできて、wedgeがうまく打てればboggyやたまにアプローチが寄ったりしてparが転がり込んでくることがある.


しかしながら、ゴルフはうまく行かない事が数多く起こるスポーツであり、犯したミスを如何に誤摩化すことができるか(カバーできるか)にによってスコアに差がつく. 90〜100あたりを右往左往するプレーヤーというのはlay upショットでもミスすることがあり, 万が一ミスが発生したときには、Par 4の第3打目に180 ydsの長い距離が残ったりしてしまう. これでは戦略として確率が低いし、それなら残り230 ydsを自分のもっている道具の中で最も自信のあるクラブ(例えば, 5W, 7W) でできるだけグリーンに近づけるようにしたほうがよっぽどいいではないか.


もしかしたら、20回に1回くらいはグリーンにのるかもしれないし, グリーンを外しても残りはチップショットでピンに近づけられる可能性が出てくる. または転がして楽々グリーンに乗せてboggyは堅いという状況を作ることも比較的易しくなる.


そうすると, 消極的に刻みすぎるのはよい戦略とはいえない.


無論、200 ydsの距離を確実に乗せられるという幻想を抱いてはいけないと思う. 自分の力量、限界、確率をわきまえた上で、「もしかしたら5%は乗るかもしれない. 左のバンカーに落ちるかもしれないが、それは仕方ない」とか覚悟した上でショットをする. でうまくいけばそれはそれでいいが、バンカーに入ったり、グリーン奥の深いラフからのチップを余儀なくされたり、グリーン手前の花道からのアプローチを強いられたりするだろう. そうすると、スコアメイクのために(ハンデを下げる)次の目標が見えてくる.

つまり, フェアウェイウッド、ロング/ミドルアイアンでのアプローチの練習をしつつ、グリーン周りの小技(バンカー、チッピング、などのショートゲーム)に鍛錬することだ.


パッティングの格言の一つに「Never In, Never Up」とある. 要するに「パットはカップに届くように打たないと絶対に沈むことはない」. グリーンへのアプローチも然りで、いつも手前に刻んでいるばかりでは、進歩が乏しい. 安全な場所に刻まなければならない状況もコースによってはあり、それは的確に判断しなくてはならないのだが、時には果敢に攻め立てることも必要だ. 手痛い失敗をしてしまうかもしれないが, 自分の確率をわきまえてプレーすれば意外と結果はよい.

練習について

練習上ではできるだけ実戦を想定して練習するべきだ. どのクラブでどういう打ち方(full shot, three-quarter shot, half shot, ボールの位置を普段よりも右や左へ移動させた場合などなど) をしたら何ヤードキャリーして、何ヤードランが出るのかというはしっかり確認しておくべきだ. 加えて、失敗が起こる(どスライスや、どフックなど)頻度、目標に対しての左右方向のバラツキなど、そのような数字をしっかり頭に入れておくとコースに行って、わざわざ同伴者にクラブの番手を聞くといったことをしなくて済む.

要するに、練習するにも、単にボールを打つだけでは無意味だということだ。目標をきっちり定めて打たなくてはならない。ミスが起きたら、なぜミスが出たかを自分なりに分析する。精神的な制約を自分で自分に課し、それに負けないようにする。あるいは、制約が運動能力に影響しないように鍛錬する。こういう練習をしなくてはならないし、(中略)もっとも難しい点に取り組むのが、新たなシーズンに目覚ましい成果をもたらす最短の道ではないかわたしは思う。

ゴルフはいつも一発の勝負である。練習場では、最初の一発に集中すべきことは言うまでもないが、同時にこれまで縷々(るる)と述べてきたように、コースにおけるショットと同じような精神的な制約が加わる最後の一発が、やはり重要な意味を持っていることをわかってほしい。

(中略)ゴルフの練習は、ただボールを打っているだけでも快感があるものだ。しかし、この快感を楽しんでいるだけでは、もったいないではないか。何事も、上達したいのであれば、それなりの工夫が必要なのである。

出典: 中部銀次郎、「もっと深く、もっと楽しく」より

怒りを抑えること

先日Sunol Valley (http://www.sunolvalley.com/)へ行ったときのこと. 自分達の前を回っているグループがホールアウトして、カートに乗ろうとしていたとき、その内の一人が怒り狂ってクラブを空高ーく放りなげていた. ちなみにそのホールは280 ydsほどしかない右ドッグレッグのPar 4で、ドライバーに自信がある人ならワンオンを狙うことが多いことが推察されるホールである. よくは見ていなかったが、さしずめドライバ-をスライスして、3,4打でようやくグリーンに乗せて、3パットでもしたのだろう.

普段の生活でもそうだが、怒って(ぷっつん切れてしまう)しまっては結局自分のその後のパフォーマンスに多大な悪影響を及ぼす. それに一緒に居る人たちにも不快感を与えてしまうし、エチケットにも違反する. コースでは常に紳士的に振る舞うべきだ.

ゴルフにミスはつきもので、ミスがミスを巻き起こし、ミスの連鎖が起こりうる. すぐに、「かーっ」となってしまうようでは、レベルアップはとうてい期待できないということに, 半年くらい前に気がついて、それからはなるべく常に冷静沈着を保てるように訓練した(つもり).

自分の成績はどうだったかというと、前半はdoubleが先攻したが, なんとか49... あまりよい雰囲気ではなかったが、後半は16ホール目を終了した時点でparとdoubleが釣り合い, 自分なりのparペースだったのだが, 17番でクリークに2回打ち込むという醜態をさらし(1回ならいいが, 2回というのは病気), 8点. 最終ホールはなんとかboggyで終了, 48. 17番で大叩きしたものの、すぐ次の18番ではその影響が現れず助かったなと素直に思った.

技を磨けば、ある程度のところまでは自信がつき、それによって心の部分も鍛えられはするが、究極は技ではなく心の問題に帰着する。このことを、ゴルファー諸氏に知ってほしいと思う。確かに心の問題は、技のように”うん、進歩しているな”という手ごたえがないだけに、自分でも心もとなかったりするかも知れない。が、いつか自分のゴルフが乱高下しなくなっていることに、ふと気づくはずなのだ。そして、ハンディキャップは飛躍的に縮まりはじめるのである。


出典
もっと深く、もっと楽しく。 アマチュアのためのゴルフ聖書 (集英社文庫)