過去にこだわりすぎない: スィングはスコアメイクの一要素.


例えば、7-ironで打ち損ねを含めて平均160 yds, 半径15 ydsの円内にほぼ打てるといったプレーヤーがいるとする. 加えて、ドライバーで最大300 yds近く打てる力を持っていると. 平均すると250 ydsくらいか.


単純に判断して、いつでも(楽に?) 70台でプレーができそうな印象を受けるかもしれない. が、これがまた上手くゆかずときには90を叩いてしまうという. こういう場合はよく、昔は週に何回もコースへいく時間があり、ハンディキャップも1, 2のレベルだったといったバックグラウンド、過去があるのだが、時が経つに連れて仕事が忙しくなり、遊んでばかりいられなくなったという経緯があると. 自分のことを棚に上げて意見すると、そのようなプレーヤーに出会うと、どうしても「昔はこうだったのに」という過去の栄光にとらわれ過ぎて、「以前のあのころのようなプレーをもう一度できるようになりたい」という願望にこだわり始める. すると「スィングを見直す」ことや、「もっと飛距離を求める」ことに陥るケースが少なくない気がする.


7-ironで160 ydsを割と正確に打てる能力があるのだから、スィングよりも, アプローチとパッティングに専念した方がスコアはぐっと簡単に縮まると思う (投資効果が高い). 加えて、Par-72のコースを70台回るなら, 7回もボギーが許される. そうすると18ホール全てレギュレーション通りにグリーンに載せる必要はなく, グリーンを外してもピンにできるだけ近くに寄せられるようにできればよいだけのこと. 状況によっては安全な花道に刻んで、寄せに賭けることが7回許される. そうするともっと気楽に攻めることができるはず. ましてやそれくらいハイレベルの技量を備えているのだから、ラウンド中に2,3回バーディがとれてしまうことも珍しくないかもしれない. そうすると、もっとミスの許容回数が多くなるわけである. 偉そうな言い方だが、ボールをある程度正確に打つ技術があるなら頭の使い方次第でスコアメイクさせることができる (はず...).


Ben Hoganは「普通の人であれば、ちょっと頭を使えば80を切ることは難しい事ではない」と説いている.

Ben Hogan's Five Lessons

Ben Hogan's Five Lessons

Ben Hogan, the greatest golfer of our generation, believes that any golfer with average coordination can learn to break 80 if he applies himself intelligently.

"THE AVERAGE GOLFER IS ENTIRELY CAPABLE OF BUILDING A REPEATING SWING AND BREAKING 80."
(レビューより抜粋)

この「he applies himself intelligently」の部分をもっと追求していけたらな、と思う.


「前はこうだった」と過去を振り返ってこだわったりしてみてもあまり物事は先に進みにくいかもしれない. 無論、過去の失敗や経験を綿密に分析して、同じ失敗を繰り返すことを防いだり、新しいことに挑戦する際の糧とすることは重要であるし怠るべきではない. が、結局はすでに起こってしまった、「叩いて」しまったことなのでそれを取り消すことは(タイム・マシーンがない限り)不可能. あーだ、こーだ, くよくよ迷うよりは、現在の自分の状況を正確に把握して、どういう方法をとればゴールが達成できるかを検討した方がよっぽど建設的だと思う. もし上のような人がいたとするなら、昔ほど上手くは打てないが、平均的なプレーヤよりも遥かに郡を抜くショット力は持っている, だったらショット力のエラーをショートゲームとマネージメントでカバーできるのではないか、と考え方・視点を改めてみるのはどうだろうか.


新しい状況、新しい相手に出くわしたら、問題解決のために違うアプローチを強いられるということはよくある. そこを柔軟に対処できるか、古い方式にこだわるかはそれぞれなのだが、研究活動や生活における問題解決も本質的には似ているのかもしれない.


(もうちょっとは上手くなってから、書いた方が話に説得力が生まれるんだけど...)