学校事情(32): 海外で勉強することはリスクなのか?


最近, 次のような質問をされた:

  • 「学位を取った後にアメリカで働くことはすごーくリスクが高いんじゃないか? (lay offされたら1ヶ月以内に職を見つけないといけないから)」
  • 「日本を出て, アメリカの学校で学位を取るのはリスクを背負うと思うが, それについてどう考えているのか?」 (リスクの方が高くて危なっかしいのではないか, というニュアンスに聞こえた)


率直に「自分はそんなことをリスクと考えた事が古今全くない」のでどうやって的確な対応をすればよいかのか答えに窮した. リスクを背負っていることは事実だと思う. が, リスクを背負わずしてリターンを得ることは可能なのであろうか? 「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」 (Nothing venture, nothing have.) という格言に表現されているように, 両者は常につきまとう.


失敗したときにどのような結果が待ち受けているかを前もって認知することは必須. ただ, リスク、リスクと失敗を恐れて手をこまねいているよりは, 行動したほうがいい. 目的達成のための確率をよく弁えないと、「挑戦」が「無謀な行動」になってしまうのには要注意.


個人的にはこちらへ来てしまった動機の大部分が (学位取得に加えて)
「大学の教育システムに失望して, 出来るだけ早くシステムの違う場所へ移りたかった」ことと「卒業後のキャリアの可能性に期待している」ことであり, リスクの評価などを気にかける気もなかった. それに自分にとってはただ大学院の行く先の選択範囲を広げただけでしかないので, 特別変わったことをしたとも思わないし、ただ海外へ出ることが特別優れているわけでもない. 一昔前だったら, 「海外にいること」や「いわゆる留学すること」自体がステータスの一つだったのかもしれない. が, 今日ではそんなことはあり得ないだろう. なんか変に特別視しすぎているのではないかと心配になってしまう. ざっくり言って、かかえているリスクなんて (日本にいた場合と) 大した差はない. むしろチャンスの幅がちょっとだけ広がっている気がするだけです. 人生はプラス思考が基本.



こちらへ来てしまって, 「日本にいたらよかったのになぁ」と思うことといえば, 「学校が終わったあとに, 街で夜遊びができなかったり, 繁華街へ寄道してちょっと買い物を...」という楽しみがないことだろうか. 加えて、ここでは車での移動が基本なので, 「飲んで帰ることができなかったり、レストランに行ってもお酒を飲めない」ことですね.