効果的な練習をするための思案
練習場へ足を運ぶ目的は各々で異なるだろうが, 「スコアを1つでも縮めるために自分の弱点を克服すること」に尽きると思う. 弱点を知るにはコースへ行くのがもっとも手っ取り早い.
スコアを縮めるための投資効果が高い領域を把握する
昨日の結果を例に分析してみると...
- 総ストローク数 = 91 (100%)
- パット数 = 38 (42%)
- ショット数 = 53 (58%, フルショットはその内35打程度)
- 1W = 11 打
- 3W = 3 打
- 5W = 10 打
- 5I = 3 打
- 6I = 5 打
- 7I = 0 打
- 8I = 2 打
- 9I = 1 打
- PW = 11 打
- SW = 7 打
この数字から言えることは次のとおり.
- パットだけで, 全体の42%を占める.
- ショートアイアン〜ウェッジ (8I-SW)によるストロークは, 全体の21/91 = 23%を占める.
- ショートアイアン〜パットをまとめると, 全体の65%. すなわちほぼ3分の2である.
- ショットの中では, ショートアイアンおよびウェッジの比率は, 21/53 = 40%.
- アプローチ (大雑把だが, グリーンを狙うショット, 5wからチップショットまですべて数える) は38%.
- チップとアプローチだけで全体の80%を占めてしまう.
- ドライバー(1W)は, 11/91 = 12%. ショット全体では, 21%.
- ティーショットは, 18/91 = 20%. これにはPar-3 ホールでの5I や 6Iのストロークを含む.
何がわかるのか
第一には, パットだけで全体の40%を占め、4パットをしでかしている. ストロークを縮めるにはまずはパットの正確性を上げるのが急務で, スコアの上下に対するsensitivity, 投資効果が最も高いということが明白である. すると練習のおよそ40%、または半分くらいはパッティングに費やされるべきだというのは理解しやすい. 実は1mのパットや, 正確にまっすぐにうつ練習であればわざわざ練習場へ行かなくても屋内でできてしまうのである.
そして第二に, ショートアイアンとウェッジでピンから120ヤード圏内で打っている割合は (パッティングを含めて) ほぼ3分の2を占めている. ショットの回数の中だけで比べてみても40%である. ショートアイアンおよびウェッジの比重は高くあるべきだ. アプローチをよりピンに近づけることができれば, 3パットをする確率が下がり, 1パットの回数も増え, 結果としてパット数も少なくなるはずだ.
以上の2項目がスコアを縮めるために重要な2大項目. 5-wood, 5-ironなどによるアプローチもすべてまとめると80%近い比率になる.
ティーショットも重要 (18/91 = 20%) なのである. 注意しなければならないのは, ティーショット = ドライバーショットのことではない. 正確に狙った地点に飛ばせることは, アプローチの成功の確率に直結してくる. ドライバーは最大で14回しか使わない. ドライバーが思ったように飛ばないなら, 3-woodや5-woodという選択肢がある. 個人的には, 新品のドライバーにお金を出すくらいなら, 同じ額をレッスンプロに投資したほうがスコアを縮める観点からすると有効だと思ってしまう.
ついでに自分の場合は、飛距離が出ないのでPar-4の2打目でもしばしば7-woodや5-woodを使うことを強いられる. 比率として10/91 = 11% を占める. Fairway woodの正確性を上げることも4番目くらいに重要 (技術面において4番目である).
単純な結論として
- パット
- アプローチ (特に120ヤード圏内のショートゲーム)
- ティーショット
の順にスコアメイクへのインパクトが大きい (アプローチとティーショットは人により入れ替わる).
しかし、この順番は(一般に)「練習として面白くない、つまらない順に並んでいる」のだ. 残念ながら...
余談
技術がいくら伸びても実戦で発揮できなければ意味がない. 練習場ではすばらしい球が打てるのに、コースへいくとさっぱり...という話はよく聞く. 恐らく両者の違いは心理的な問題にあると思う. 練習場では心理的な制約がなく、のびのびと打てる. 逆にコース上では, 「これはグリーンに乗せないと100が切れない」とか, 「池に入ったらどうしよう」と心理的な制約条件が加わる. または前のホールでしでかした失敗の余韻が残っていることもあるだろう.
具体的にどうやれば実戦でも練習と同じように打てるかどうかという方法は分からないが, 1つは実戦で打つときと同じ動作、手順および状況を想像しつつ練習するとよいかもしれない. 1回打つごとにセットアップとターゲットに対する構え (平行かどうか) を確認し, 実戦と同じルーティン通りにやってみる. するとコース上ではとくに意識しなくても自然に体が動くようになり, 練習場と同じよい球が打てる.......に違いない.
「常に実戦 (実際の状況) をイメージして、無駄を少なく効率よく練習・準備をすること」はゴルフに限ったことではない. 例えば口頭試問や口頭発表の準備をするとき, 入学試験の準備をするとき, 仕事や生活の多種多様な場面で必要とされる技能の一つだと思う. 技術に限らず, 歩く姿勢や速度, エチケットやマナー、ルールを遵守するように普段から心掛けていれば、いざゴルフをするとなったときに特別に切り替えることなくごく自然に対応できる.