学校事情(番外編): 日米教育の細い違い - プレゼンテーションの機会

アメリカの大学(院)へ来て、今更ながら思うのは、ここでは圧倒的に口頭で説明する機会が多いということだ。要はプレゼンテーションをする場が多い。例えば、授業をとれば期末試験の代わりに期末レポートと概要をまとめた10分程度のプレゼンテーションを課せられる。また研究室では(うちの研究室では)ある一定の周期でスライドを使った発表をする。でなくても、毎週のミーティングでは進展状況を手短くまとめて口述することを要求される。


特に最近の自分の場合、来週にASPE (American Society for Precision Engineering, http://www.aspe.net/)という場で発表をすることになってしまっているので、「練習じゃぁ」と称して頻繁に本番と同じようにプレゼンテーションをしている。ちなみに、この辺では、プレゼンを"presentation"というよりも、"talk"という言葉を使うことが多いみたいである。例えば、"I gave a talk at LISA weekly meeting yesterday."とか。練習をしてみて思うのは、同じトピックについて述べても「書くこと/書く技術」と「話すこと/話す技術」は大きく違うということだ。日本人の場合、小さいときからペーパーテストになれているためか、書くこと、書面で意見や事実を明確にすること、文章でアイディアを伝達することはある程度の訓練がされている。が、「しゃべること」となると、私も含めて未熟な人々が少なくないように思う。


大学時代では、4年間を通じてプレゼンテーションをしたのは2回だけ。

  1. 2年生の実験の授業であった発表, 10分程度
  2. 4年生の卒業論文の発表

これらだけである。中学校や高校では無論プレゼンテーションをすることはない。強いて言えば小学校の方が、大学で行った回数よりも遥かに多く、人前で話をすることが多かったように思う。


こちらの大学では、口頭での表現力を磨くための授業が用意されている。例えば、

  • Public Speaking
  • Teaching and Speaking in English (外国人用)

など、本当はもっとあるのだが、こうやって授業が存在するということは、それだけ人前で話ができるということの大切さがある程度広く認識されているという証の一つではなかろうか。