[雑記} SLAVE TUX

(なんとなく思い出したこと)
最近(ここ数年)ひしひしと思うのは, Linuxが, Tuxが鎖でつながれて営利目的の企業に飼い慣らされている, っていう気がします. Linuxはあくまでもハッカーやヘビーユーザを魅了する至宝であり, 事実上金儲けの道具になっているのは残念に感じています.

私がLinuxに最初に触れたのは1999年12月, ちょうどVine Linux-1.1をPentium IIマシンへインストールしました.直接のきっかけは何っだったかよく覚えていませんが, 確か私の父が「理工系ならLinuxくらい使いなさい」と進言したことだったかと.99年というと2.0.xx系カーネルが安定して2.2.xxがリリースされた時期ですね.

とりあえず, 見よう見まねでVine-1.1をインストール, Win95とDualブートに仕立てあげました.20回くらいインストールし直したと記憶しています.

Linuxを使っていて一番楽しいのは何だったかというと, 自分好みのシステムを自由に作っていける, てことです.自分は開発に参加できるほどのプログラミング(C)の技量はないので, 開発に関しては今だに無縁ですが, 何かをスクラッチするというのは楽しいことです.

だから1999〜2000後半くらいまではとにかく全ての作業をLinuxでできるようにと, ほとんどAnti-MSになって環境の整備をやってました.このころの大きな問題(issue)としては, USB. あとデスクトップアプリケーションとしてはOffice Suite. linux-2.2.16くらいからUSBがサポートされるようになってきて, USBマウスやキーボードが使えるようになったのは画期的でした. そのためにカーネルの再構築を成功させるってことが主要な研究課題でKernel Panicを起こすのは日常茶飯事.

Officeに関しては2002年にStarSuite 6.0がリリースされるまでは結局MS-Officeに勝てる可能性があるものはありませんでしたね.GnumericやTurbo LinuxのApplixware, StarSuite-5.xなどいろいろ試しましたが互換性と日本語環境のサポートという壁に最初に風穴をあけてくれたのがStarSuite-6.0でしょう.

そのころからうちのVAIO505, 今も現役, にVine-2.0を入れてプレゼンなんかをMagic Pointでやってました. Magic Pointなんて使ったことある人ほとんどいないんじゃないかな? 挿絵はTgifとGimpなんかで作ったり, 数式はLaTeXをEPSに出力して貼付けと. 正直言って半分意地です.

幸い、Xの設定に関してトラブルに見まわれることはありませんでした.他人のマシンへLinuxを入れて上げたときにはしょっちゅうでしたが... たとえば統合型チップセットのi810なんか.当時(2001?)はけっこうな曲者でした.なんか他人のマシンをいじるとハードウェアのトラブルに遭遇するんですねぇ.

2000年の秋から当時住んでいた学生寮に企業向けの専用回線(OCNエコノミー,128k)を引っ張ってきて料金(月32,800円)を10人くらいで割勘してネットを使い放題にしよう! ということをやり始めました.というわけで独自ドメインを取得してホスティングサービスをLinuxを使って開始.基本的な組合せの, Apache, Bind, Sendmailを試行錯誤、Googleに相談しながら設定方法を模索してました.のちのち, Sendmailは設定が面倒なこと(設定ファイルを書くのに別なソフト? m4マクロを使うなど), セキュリティホールが頻繁に発見されていたこともあり, Postfixへ移行, ProFTPを導入したっけ.この疑似ISP業務は2002年に卒寮するころには, 当時出現したFTTH, 光サービスのBフレッツIP8を採用, 100Mbpsの専用回線を使ってました.ユーザも30人弱で一人あたり2000円程度の月額料金.おかげでLinuxを使い倒すという点においてはかなり学習させてもらいました.開発はできませんけど...


話が著しく脱線しているので元へ戻す.


RH6.0くらいからRHの商業指向が強くなってたのではないかと思います.根本てきなことは現在と変化はないでしょうが, メディア, ドキュメント, サポート代金と引替にパッケージ(ディストリビューション)を販売するということ.加えて商用ソフトをバンドルしているのでデスクトップソリューションで大体10,000円〜20,000円ってとこですね.同じ様にTurboもすごく商用Linuxの色を出してきていました.Turbo6.0だったっけ.

そのころよく聞かれた質問が, Linuxでフリーなのになんで金を払うの?. このフリーってことを適切に理解する必要があるかも. フリー(Free)って無料のフリーでなくて, 自由に利用していいというフリーを第一に考えるべきだと思うんです. 確かにGPLって

[1] ソースコードを無料で公開・配布
[2] そのソースコードを改造して配布してよい
[3] 著作権は放棄しない

とあるけど, 本質は自己責任で自由につかってください, と捉えておくとLinuxパッケージにお金を払うってことが理解できる. ソフト自体はタダだけど, ユーザが困ったときに手助けしますよ-, というのが商用Linuxの基本方針...だと思う. あと商用フォント、ソフトの追加. サーバー向けだったらカーネルを最適化していたり, セキュリティが強固(デフォルトの設定)になっていたりと.

商用のサーバー向けのパッケージは使ったことがないので詳しくはわかりませんが, これってFTPからダウンロードできるLinuxを自分でカスタマイズしてやればわざわざお金を払う必要ないと思うんですけど...結局Linux自体はKernel.ORGげ配布しているものとidenticalなわけですし. やっぱサポートがほしいんですね.

要するに, ソフトウェアの費用が0になるという点がLinuxに代表されるオープンソースを使う最大の利点の1つなのに, 商用パッケージを使うのってNTを導入するのと一緒? クライアント1台あたりの費用は安くなるかもしれないけど, Linuxのサーバーeditionって○十万円するでしょう.さらに追加クライアントライセンスの代金がいるかもしれないし.

このLinuxブーム, 商用Linuxってのがどうも好きになれない.以前は存在していた, 遊び心を掻き立てられる対象、のようなものが失われている気がする. だからGentoo Linuxというプロジェクトがemergeしたりしているんでしょう. SlackwareDebianなんかは根強い人気があるし.

確かに, 企業がオープンソース開発にコミットすることによりCollaborationが生まれることで多大なる貢献をしているというプラスの面の方が大きいのかな. 上に述べたことはあくまでも哲学・思想であり, くわえてタダで使うだけのエンドユーザの視点から書いただけなので.

不思議なのが, FreeBSDLinuxほど注目されていないことだ.やっぱりライセンスが絡んでいるのか? FreeBSDLinuxの様に亜種・派生種がなく、純粋な血統書つきのPC UNIXだと思っているのだが, ドキュメントはしっかりしているし, 優れたパッケージ管理システム, Linuxとのバイナリ互換性, システムの堅牢性などなどどれをとっても勝とも劣らないのに.不思議である.これについてはちゃんと調べてみたい. 数値的根拠はないですが, FreeBSDの方がサクサク動く気がします.

うちのサーバ(このサイトを管理している)はFreeBSD. Vine1.1を使いはじめたころの遊び心をくすぐるものが残っています. そのうちデスクトップもFreeBSDにしてみるかもしれません.実は以前挑戦しましたが, 商用ソフトの互換性および32/64-bitのトラブルに泣かされて挫折... FreeBSDはやっぱり内部構造が綺麗ですよ. Linuxに比べて.

だらだらと言いたいことを全部書きましたが, 論点は何かというと,


Tuxが金稼ぎの道具, ブロイラーのように仕立て上げられている構造に, もの凄い嫌悪感を覚える

ってことでした. そんなに嫌いなら全部BSDにしろ、っと言われそうですが, Linuxがないと今のところ仕事にならない.