学校事情(番外編): 24時間で論文を書く

seihiguchi2005-10-01


9月29日 23:00 アドバイザーから thermal paper in one night..? という題名のEmailが入りました.

案の定, (明日が〆切だけど)簡単な短い論文を書かない? とのこと.Conference Procedings というタイプに分類されるので, ざっくりでOK. 昼間にMatlabでたまたま使えそうな絵とか書いてたし, 教授に見せるレポートをtexしていたので(ゆくゆくは数ヵ月後にfull paperにしようと思っていたもの), 3分考えてから, 「じゃ,やりましょー」, と返信.

メッセージはこんなものでした. 実は自分が著者になる出版はまだしていないのもあって(連名ではいくつか出ていますが...), 最近出てききつつある良い実験結果を強制的にまとめるよい機会だと判断して, 夜中(9月30日 0:00am)に開始.

Don't know what your time is like, but I think maybe
we can do a 2-4 page thermal paper in 1 day if you can,
starting from the Abstract you sent.

It would mostly describe the system you've built, with
Femlab-based diagram, nested loop description (simulink),
frequency response(?), and then, thermal noise spectrum,
that you just showed.

(中略)

Since this is Conference Procedings, it's ok to be brief
and even a bit crude. Final "nice" paper comes later.

What do you think? Can you pull this off tonight/tomorrow?

                                                                                                                    • -

0am - 2am: レポート用のソースを書き換え, 絵の張り替えなどなど, とりあえずこんなもんからスタートします, ということでアドバイザーへ送信.
2am - 4am: 仮眠(余裕)
4am: 実験装置が異常停止したので, 仕方なしに研究室へ行って再起動.
5am - 9am: 仮眠? 寝すぎ...
9am - 1pm: 下書き完成、簡単に調整
1pm - 5pm: こまごまといろいろ修正

LaTeXソースはすでにある程度レポート用にできていたので絵を貼って, 文書をちゃかちゃかっと埋めるのは昼飯時間くらいまでに割と早くできました. が, 予想通り, 絵や文書表現, 参考文献の微妙な調整に時間がかかります. 何毎もゴールに近付くにつれて労力が積分されます. ゴルフでアプローチ・パットがスコアメイクに直結するのとゞ様. ということで夕方5時になってもまだ完成しません.

5pm - 7pm: HPでセミナーのお手伝い

不運?なことに, 今日は学校の隣にあるHPにてJTPARFIDセミナーが開催されました. セミナー運営のお手伝いをすることになっていて, ドタキャンはしたくなかったので, 最初の開場時だけ研究室からちょこっと抜け出して, セミナー自体には泣く泣く参加できないでまた戻って再開. Ph.D.にとってはPublicationを早く1つ出すことの方が先決なので.. またどっかでこういうイベントがあるでしょう. 参加人数も多くネットワーキングのよい機会でもあったんですが...

このセミナーはレクチャーに加えて, 実際のRFIDのデモ, およびHewlett氏とPackard氏の執務室を見学するというおまけつき. 執務室についてはセミナー開始前に個別に見せてもらうことができまた. 感謝感謝.

7pm-25pm: 最終調整

アドバイザーと夕方7時ごろに研究所前でばったり出会った以外は, 連絡は全てEmailで行いました. やりとりしたのは35通くらい. 思ったよりも多くはなかったです. どうもIMは気がちって, 個人的に, 使いにくい... 夜中までいろいろと表現なんかを直してもらいながら, なんとか完成.

さすがにPDFをリンクすることはできませんが, タイトルはこんなもの:

High-stability temperature control for ST-7/LISA Pathfinder gravitational reference sensor ground verification testing

(寝すぎた以外は)非常に生産性の高い一日でした.

余談

こういう時間の拘束条件が厳しいときには, 日本のコンビニなんかがあればすごく助かるのになーといつも考えてしまいます. ここはど田舎であることもあり, キャンパス内にはろくな飲食店がないこともあって, 手早く簡単に済ませようとするのは結構難儀. 夕飯は作るつもりは全くなかったのに, 作らざる汚得なくて, ズッキーニとソーセージのトマトソースというか, 具を炒めたものにホールトマトをつぶしたものを混ぜて塩コショウをした極々簡単なもの. かなりロークォリティー・不健康です.

BibTeX

通常文書を書くと, 最後に参考文献, Referencesをまとめなければなりません.以前はthebibliographyタグを使って手で書いていました.が, フォーマットが毎回ばらばらになる上に, 手間がかかります.

bibtexというツールは, 文献一覧の元となるデータベースファイル(テキストファイル)を1つ準備しておけば,

$ bibtex latex_src.tex

と打つだけで, 参考文献一覧を作成してくれます. こんなことを今まで知らなくて損していました....

BibTeX 活用術: http://keizai.xrea.jp/latex/bib/bindex.html
経済学で BibTeX を使う: http://park.zero.ad.jp/~zbc08106/tex/bibeco-ja.html