苦手な相手(上司)と仲良くするには (理系編)

seihiguchi2006-08-26



さて, 8/28 (MON)が、以前に出掛けて行った6th LISA International SymposiumのConference Proceedingの提出日ということもあり、以前この日記に一瞬だけ登場した特徴あるマネージャー君にラボの学生らは週末だというのに研究室に(任意)招集されて提出前の論文の見直しを行った。


はっきりいうて、インターネット資源 (subversion, email, skypeなど)を使えば、物理的に机に一緒に向かって作業せんでもいいのではあるが、どうも彼は一緒に学生くんたちと居るのが好きなようだ。どこかで、教授職をえられればかなりマッチングするかもしれない。特に日本とか。


理論的にはネット上で編集作業は全てできるんだが、こういう推敲作業は紙に打ち出して、赤ペンを使ったほうが効率がよかったり、Adobe Readerなどでディスプレーに映し出して眺めるよりも間違いが多く見つかることは経験的にわかっているから、よりよいものを産み出すためには必要な作業といえる。


本題は、このように(ってどのように)理系の職業(とくに研究者やハッカー)に多いと思われる、ちょっと変わった特殊な能力を持つ人たちと、仲良くするための方策について議論してみます。


問題提起

さて、こんな人特徴を持った優秀な(頭脳明晰な) 人はあなたの周りにいらっしゃらないでしょうか?

  1. 自分の専門分野について、異様な量の知識を持つ。また、非常に高い興味・関心を持ち、その分野についてであれば、何時間でも語ることができたりする。
  2. 自分の好きなことのためだったら、睡眠時間をとらなくてもよく、あまり疲れるようなことがない。
  3. わりと自分の思ったことを正直に言う。一般常識では相手に対して失礼と思われることでも、正直に発言してしまうことがある。言換えると、裏表がない正直者。
  4. 自分自身の世界に棲み、わりと自分を中心にして物事を動かそうとする傾向が見られる(自己中心的)。
  5. 口頭のコミュニケーション力が若干弱い。口述された言葉を聞き取って理解する力が低い場合がある。
  6. スケジュールの突然の変更や、物事の急な変化に過敏に反応し、柔軟な対応をとることが苦手だったりする。逆に、スケージュールはミスが起こらないように綿密に計画する。また、ミスを犯すことが苦手。
  7. 時間の感覚に疎かったりする。一般に時間にルーズと思われるかもしれない。


もっと端的に言うと、

  1. 特定分野の学習能力・研究の能力が異様に秀でている。また、興味のある物事には非常に高い集中力を発揮する。
  2. 社会性にやや乏しく、人を管理するのは苦手とする傾向にある。が、正直者である。

対策

ずばり


視覚情報を利用して、目から情報を伝えるようにする。


これが効くんです。


論理整然と言葉で主張をしても、口述された言葉をリアルタイムで理解してコミュニケーションをとることが苦手なことがあるために、結局理解されないままで終わってしまうことが殆どです。


そこで、ホワイトボードや紙に絵や簡単な記号を描きながら説明をしてあげると、これが面白いように理解してもらえ、以前よりも円滑に生産活動を進めることができました。また、emailなどで文章を送ってあげるのも効果的です。


また関連して、このようなタイプの特殊技能を発揮する方々はエンドレスに物事に取り組む傾向があり、「自分でどこが終わりなのかよくわからない」ことがよくあるそうです。今日の論文を仕上げる作業だと、「一体全体どこが論文の完成になるのか、自分で判断ができないので、提出ギリギリまで結局推敲のプロセスを延々と続ける」という現象が起こってしまいます。似たような自分の経験では、webページのデザインをしていてCSSファイルを延々と何時間も編集し続けるとか。。。ちょっと違うかな?


二日間もあまり生産性の上がらないことに時間をかけていては自分の学位論文の研究が進まない。ゆえに、さっさと切り上げるために土曜日の作業開始時に、彼自身に「何を残りしなければならないか、どこを終わりとするか」を前もって話し合って定義してもらい適宜紙に書き留めた。


これが功を成して、日曜日は自由に時間を過ごすことができた。。。が、あるラボの同僚は日曜日も夜中の4時(月曜の午前4時)まで居残りを強いられたらしい。。。。。合掌。


結論

  • 視覚情報をつかってコミュニケーションをとる。いわゆる"Visual Aids"を使う。
  • 専門分野には異様な才能を発揮するため、才能にあった仕事を与えるとピカイチ・抜群の結果を産み出す可能性を秘めている。
  • 常識では考えられないような、妙な発言をするかもしれないが、それは本音がでているだけであって、決して嫌みなどで言っているわけではない。なので、その辺りを理解しているといちいち過敏に反応することなく、適当にやり過ごすことができる。
  • 人的資源管理には向いていない。。。

ちなみに、NASAの職員や、プログラマーハッカー)にはこういった性格の人々が多いそうだ。


ちょっと極端な例かもしれませんが、TVドラマの主人公MONKは似たような人物ですね。
http://youtubech.com/test/read.cgi%3Fdl%3DCbnKtnEW5hM%26ext%3D.flv


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