学校事情(38): いいかげんにそろそろ学位論文の最終的な構造を考え始める


えぇーと、最近しきりに「さっさと卒業して万年学生生活から早く脱出しよう」と考え始めているのですが、卒業するには学位論文を書かねばなりません。アメリカの大学院では、Ph.D.いわゆる博士号をとるために、何年勉強すれば授与されるという規則はないのですが、概ね4年〜6年くらいかかっているようです。ときには10年を超えるケースもあるようですが。最初の1年半から2年は授業(Coursework)をとり、単位をある程度(Masterを取るときと同じくらいの量)をこなす必要があったりして、わりと研究の進行がスローになったりもします。


以前、ちらっと紹介したように、研究室のfundingの状況が異様に不確定要素が大きいことと、この国の予算事情の変な話を考慮すると、ちょっとスピードアップしてさっさと卒業してしまった方が身のためかと思い始めたわけでございます。(だから毎日座ってばかりで太ったのか。。?)


というわけで、学位論文を提出せねばなりません。かといって、最終的な結果(実験結果)を得る段階に至るにはまだ1年以上、最終的に卒業するまでは1年半〜2年くらいはかかると見越しているのですが、それでも最終的な論文の形(最終的なアウトプット、目標物)を意識して取り組むとそうしないのとでは、大きな差がでるでしょう。それは、目標をさだめないで適当に構えて、ティーショットを打つようなものですから。。。


Wikipedia にはPh.D. (Doctor of Philosphy)の詳細な説明がありました:

Wikipedia, Doctor of Philosophy (http://en.wikipedia.org/wiki/Doctor_of_Philosophy) より抜粋:

Doctor of Philosophy, or Ph.D., an abbreviation for the Latin "Philosophiæ Doctor" or alternatively "Doctor philosophiæ", D.Phil. (originally from the Greek Διδάκτωρ Φιλοσοφίας, meaning "Teacher of Philosophy"), is a doctoral degree granted at the completion of extensive academic work in a particular field of study. Although originally granted exclusively for work in philosophy, today Ph.D.s are awarded in nearly all fields of the sciences and humanities. In most countries Ph.D. students go through two distinct phases. In the first phase students typically complete required courses and write some form of comprehensive examination. The successful completion of the examination marks the beginning of the second phase and entitles the student to refer to him or herself as a Ph.D. candidate. The major task of the candidacy stage is the writing and defence of a major original contribution to his or her academic discipline. This contribution usually amounts to a written dissertation ranging in length, depending on discipline, from 50 to 800 pages. Dissertations typically consist of a comprehensive literature review, an outline of a methodology, and also include several chapters of scientific, social, historical, philosophical, or literary analysis.

Although originally granted exclusively for work in philosophy, ...と元来、philosophy に対して与えられる学位だったようだ。で、philosophyという単語を辞書で調べると、

  1. 哲学
  2. 人生哲学、考え方、考え、持論、主義{しゅぎ}、信条、理念、人生観

(ALC: http://www.alc.co.jp/)

  1. the study of the nature and meaning of existence, reality, knowledge, goodness etc.
  2. any of various systems of thought having this as its base:

(LONGMAN, Dictionary of English Language and Cultureより)

と説明されている。これらを踏まえると、最終的な論文は一つのphilosophyを訴えかけるものにしないといけない(というか、そういう形にしたい)。まぁ、自分なりの考え、まさに哲学を表現するものになるでしょう。恐らく。


だから、ここで今一度、「自分の哲学」をどうやって構造化していくかを少々考えてみようかと思い立ったわけです。こんなことはテーマを決めたときにやっておくのがベストな気がするんですが。。。。 まぁ、まだまだ到底書き始める段階でないにしても、

  • その問題をなぜ考えようと行き着いたのか (動機付け、発端、背景事情、理由)
  • どういうことを達成して、表現しようとしているのか(最終目的)
  • そこに到達するために、何をしなければならないのか (問題解決方法、手法、段取り)

を明白にして、パズルでいえば、どのピースを埋めないとパズルが完成しないかを綿密に理解することは、無駄な仕事が減り、脱線が少なくなり、効率よく物事が進むでしょう。特に、「今のように長居は無用」な状況化では、学位論文の全体の構造および前半部分(背景、動機、目的などのintroduction)を同時に(少しづつでも)書き上げていくことはスピードアップに貢献するでしょう。

オンラインのツールを活用する

ということで、構造化をするには道具がいります。最初はLaTeXにしようかと思ったり、文字だけだからMS-WordOpenOfficeでもいいかと考えましたが、せっかくここ最近web2.0とか騒がれて、オンライン上のオフィスツールが揃ってきたので、それらを使ってみることにしました。


いろいろ選択肢はあるのですが、以前アカウントを作って, To-doリストの管理などにつかっていた37 SignalsBackpackに決定しました。Backpackの中の「Writeboard」というツールがワープロとして使え、要はwebブラウザとインターネットがあれば、世界中どこからでも作業ができ、ローカルのマシンにデータを保存する必要がありません。必要ならPDF形式などで出力したりできます。


実は、昔Googleに買収された Writely を使おうかと思ったんですが、Googleのシステムに移行中らしく、移行作業が完了するまで利用できないようです。さっさとアカウント作っておけばよかったと後悔しました。

Thank you for your interest in Writely!
We'll notify you when the beta program has been opened again to the public.

だと。。。。。