いい論文の構成とは。。。: イントロダクション/introductionに労力を注ぐ。

ME358の授業中に、論文/paperの模範的構成について指導があったので、書いてみる。あくまでも、「これが正しい」とかいうものではなく、「このような構成で書くと明瞭なよいプレゼンテーションになる」のではという提案である。世の中、正しい/間違い、だけで判断するものではない。

1. タイトル (title)

ブログなどのエントリでも然りであるように、タイトルには論文の内容のエッセンスを詰め込む。(ここの説明はこれくらいだった)

2. 著者名 および所属 (Authors+Affiliates)

文字通り、著者および所属。これは授業で聞いた事とは別ですが、論文が複数者の著者を含む場合は、先頭に来るのは最も貢献度が高い人、その後は苗字(last name)のアルファベット順にすることが公平で好まれる模様。2番目以降も貢献度の順にしたがる人もいる。

3. 概要 (abstract)

  • 100-200語 (100-200 words)で書く。
  • これは後述のイントロダクションを短くまとめたものにする。
    1. 問題設定 (problem statement): 全体の30%, 1-2文
    2. これまでの研究成果 (previous work): 20%
    3. 解法 (solutions): 40%
    4. 結果/世の中にとっての利点・影響/なにが嬉しいのか? (impact): 10%, 1文程度

4. イントロダクション (introduction)

論文の内容を生かすも殺すもイントロダクションの構成および内容にかかっている。他のどの部分(section)を書くよりも前に、このイントロダクションから書き始めることを強く勧めておられた。構成は先述の概要と同じであるが、実際には概要はイントロを書くよりも後の行程になるので、概要がイントロと同じ構成である、と言う方が適切かもしれない。

  • 問題設定 (What is the problem?): 全体の20%, 1-2段落程度
    • 具体的にどういった問題に挑戦するかを宣言する。
  • 以前の研究成果 (What is relevant previous work?): 35%, 2-3段落
    • イントロダクションでもっとも重要な部分, "very very extremely important"と念を押していた程である。
    • これを書くときは、過去の文献をまとめたバインダーが作業机の上に積み重なれているか、コンピューターのなかにPDFファイルをかき集めたディレクトリ(フォルダ)と格闘していなくてはならない。
    • それぞれの著者(previous workの著者)が、何を成し遂げたかを明らかにする。(what were their contributions?)
  • 問題を解くための解答、具体的な方法を述べる (What are solutions, specific methods?): 35%, 1段落
  • 世の中にとってのメリット, 貢献 (What is impact? How does this change world?): 10%, 短くまとめる

イントロダクションを成功させるためには、上記の4つの項目のそれぞれの始まりに内容のエッセンスを詰め込んだキーとなる1文 (topic sentence) から始める。このtopic sentenceを骨組みとして書き始めることを強く推奨していた。

Include comprehensive and exclusive topic sentence in EACH PARAGRAPHS. Write topic sentences first.

5. 本文 (technical section)

本文、技術的内容 (実験装置、計測方法、理論、計算/実験結果など)については、言及することはありません。

6. 締めくくり

  • 通常、"Conclusions", "Summary", または"Summary Conclusions"とすることが多い。
  • "Summary"と書くと、"productive"な印象を与えにくいらしい。
  • 実験や計算で得られた結果を証拠として、その論文/報告書での結論を述べる。このとき、イントロダクションとの一貫性を損なわないように注意。。